育児ワンポイント
アドバイス

年齢の特徴と大事にしたいこと
0歳児
成長著しい1年。首もすわらなかった赤ちゃんが1年で歩き、食べ、お話しするようになります。心の心地よさを「感じ分ける力」が育つように、人間同士の(親子・保母子等)信頼関係作りのスキンシップ・言葉掛けを安定した環境でゆったり育みます。
1歳児
自我に目覚め、自分の我が通るまでだだをこねたり泣きわめいたりするお年頃。自分の気持ちをいっぱい出すことが出来る子と、しっかり受け止める大人との信頼関係を基本に「一緒が楽しい」と思う共感関係を作っていきます。
2歳児
頑固なこだわりと「自分で選んで決定する」喜びが「ジブンデ!」を育てます。目覚めた自我が、人と一緒に暮らし遊ぶ関わりの中でしっかり絡み合えるよう支えます。

手をいっぱい動かそう
生後3ヶ月頃から「手」を顔の前にかざしてしきりに舐めたり揉み手をしたり…。
これは、物を見る「目」の力と、道具を使うための「手」の距離感を、身体中にインプットしている姿です。まだ上手に動かせない手は、時々目や鼻に入ってしまい、ハラハラするなんて事もあります。お座りが上手になり掴まり立ちが出来る頃には、身体を支えていた「手」は自由に動かせる「手」になり、握る・振る・擦る・摘む・拍手等周りの人とのコミュニケーションに支えられて機能性を向上させていきます。
1歳半を過ぎる頃からは握る-離すのバランス調整力・手首を回す機能がついてきます。スプーンを持つ事もスプーンのどの位置を持てば食べ物を乗せても落とさずに口まで運べるか、皿からすくえるか、身体の中心から発達してきた力が肩~肘~手首へと伝わって、小さな指先までしっかり力が入ります。
お家でも、ハイハイでは指がパッと広がって身体を支えるよう励まし、親指と人差し指で小さな物を器用につまみこする「なべぶた回し」に拍手喝采・「おいで」の縦手振りと「バイバイ」の横手振りが出来たら右手でも左手でもバイバイを誘い「あっちもこっちも」楽しく動かす誘いをする・指差しがピシッと決まりお喋りと伝い歩き~歩行が始まったら、割り箸を半分に折ってペットボトルへ「入れきる」「出しきる」リサイクル玩具を提供する・洗濯物を干すときは、ぱたぱた振るお手伝いを頼む・カレンダーの裏紙は滑りの良いサインペンやB3以上の柔らか鉛筆付きでゲイジツ家に進呈し、親指と人差し指と中指の3本指で持てるようする・スプーンやフォークは飾り持ち(持っているだけで食事は手掴み)が握り持ちになったら下手持ちを誘う等少し手の動きを見てあげるとグッと器用な指に育ちます。

生活リズムって何?
生活リズムを決めるもの
少し難しいお話です…。「生体時間」と呼ばれている人間の脳内リズム機構は25時間を周期としています。それを地球の自転の昼と夜のリズムに合わせた「24時間」に同調させる為の調整機構因子として、
- 1. 社会的因子(仕事・学校・遊び等)
- 2. 身体的運動
- 3. 環境(温度・湿度・騒音・振動等)
- 4. 食事(1日/3回を一定時間になったら食べる)
そして肝心な明暗=目から入る光…等があります。様々な同調因子の刺激は、感覚器を通じて脳内の生体時間(25時間時計)に伝わり、外界の24時間に合わせて筋肉や皮膚・内分泌等を時刻合わせしています。人間の脳みそって凄いですね~。
生体時計が未熟で夢うつつの世界にいた赤ちゃんも、中枢神経系が成熟してくる4ヶ月頃には、育児に当たる大人達が同調調整因子を十分に与えることによって、時刻調整する力が備わってきます。つまり、子供が性能の良い調整機能を持った生体時計を持てるか否かの「決定権」は、育児する大人に委ねられているのです。しかも、中枢神経系がめざましく発達する新生児期から乳幼児期にかけて、生体リズムの発達に大きな臨界期があり、この時期に正しく調整されないと、もはや性能の良い生体時計は得られないのです。

生活リズムからみた子育ての課題
朝は慌ただしく、夕方からの家族生活…就労夫婦の子育ては、寝る時間を割かないと家事&持ち帰り仕事&深夜放送や衛星放送を見る等の「やりたいこといろいろ」はこなせない毎日ですね。深夜まで起きている生活習慣を続けると、人間の脳は、体温やホルモン分泌等を「夜型リズム」にセットしてしまいます。すると、朝7時に起きようと思っても、まだ体温が低く脳の活動は眠った状態でのスタートになり、貧血・倦怠感・動悸・頭痛・腹痛等「起立性調整障害」の症状を引き起こしてしまうのです。これって立派な病気です。文化が豊かになり夜でも目から入る「光」つまり明るい電気の下で昼間のように過ごすことは「明暗」による同調因子を弱くしています。夜食も消化器官が絶え間なく活動し続けている訳で「摂食」による同調因子を弱くしています。24時間では収まりきらない社会のスピードですが、私達ホモサピエンスは昼行性哺乳動物です。生体リズムの原則を無視した生活環境は、無気力・ホルモン異常・情緒不安定・自律神経失調症・眠くて学校に行けない不登校等を誘発してゆきます。本当に病んでいるのは大人?子供?

生活リズムを整えるポイント
昼行性哺乳類の人間は、本来身体が持っている25.2時間のリズム(生体リズム)を、地球の自転である24時間に合わせて生活行動するため、時間の誤差を毎日脳内で調整しています。では、どんな事をすると調整出来るか?この「どんな事」というのが下記のような調整因子です。
目から入る光刺激=朝のまぶしい日差しや日中の日光浴→覚醒と活動を脳に伝えます。
朝食は必ず摂る=覚醒と活動の開始を脳に伝達します。
=朝・昼・夕の3食は時間を決め楽しく食べます。
特に「夕食」!家庭文化の原点!その日の事を家族皆が楽しく伝え合う事で社会的な文化の継承が成されます。腹時計の人は、社会的訓練をされたリズムの脳なのね!
日中は充分運動する=気持ちの良い休息や午睡をする事との「緊張と弛緩」の安定リズムをつくり、日中の活動量が夜の自然な「就寝」(脳の休息)を誘発します。
睡眠=自然覚醒の出来る睡眠時間を、必要起床時間から逆算して眠る時間を一定にする事で自律神経のしっかりした神経系が確立します。ちなみに生後2週間位の新生児は16時間は眠っています。1歳~3歳では1日/12~13時間は必要。午睡(一度寝や二度寝で2時間~1.5時間)を除く夜間11時間程度が自然覚醒出来る睡眠時間になります。朝7時に起こすなら8時~9時迄には就寝が必要になりますね。
乳幼児期は親の生活姿勢が命の源になります。自律神経失調症の園児が増えている…政治問題もダイオキシンも心配ですが、生命体の基本はもっと身近にあるようですね。
生活の工夫
前回は、人間の持っている時計(25.2時間)を地球の自転24時間に合わせるための同調因子として4点の因子を紹介致しましたが、今回は子供の生活を生き生きと活力に満ちた毎日にするための工夫について考えましょう。
【因子】 | 【生活】 | 【工夫】 |
---|---|---|
目からの光刺激 | 朝7時には起きる | カーテン開け~窓開け~声掛け~ 心地よい自主的目覚め |
朝食を必ず摂る | 食べて出してを朝の日課にする | 7時半にはいただきます~ 8時にはご馳走様 |
日中の運動 | 毎日戸外活動を楽しむ | 散歩や鬼ごっこ大好き~ 午睡~夕方散歩は楽しい |
睡 眠 | 夜9時までには就寝する | 少しのTV~夜7時夕食~ 8時入浴~ゆとりの夜 |

大人の生活リズム
24時間の1日を快ち良く健康的に過ごす為に、同調因子や生活の工夫等考えてきましたが、根本的に慌ただしく時間に追われる親の生活と「子供にとっての時間」をバランス良く営む事は、何とも「ハー…と溜息」の日々だと思います。大人にとっても、リズムは大切なのですが…。
大人の就寝時間は、90分サイクルのレム・半レム睡眠の波・交感神経と副交感神経のスイッチを考慮すると午前12時迄には就寝し、最低6時間~7.5時間の睡眠を摂ることが理想です。「11時に眠り6時半に起きる」リズムで生活すると、「脳」の休息と活動=活動時の心身の各神経器官活動の活発化が成り立ちます。
朝、活動の時間帯になると、活動に必要なエネルギー(朝食=糖質)を効率良く吸収出来るよう、視床下部の指示で副腎皮質ホルモンからインシュリンが分泌されます。夜は睡眠初期に成長ホルモンが集中的に分泌され、蛋白質を合成したり骨の成長を促進したりします。ところが、夜食で糖質をたっぷり摂ると、インシュリン分泌が悪いため血糖値が上昇してしまい、糖尿病のようになります。1日の食事回数が少ないだけでも、皮下脂肪が厚くなり(特に女子に傾向大!)肥満や虚血性心疾患・耐糖能力低下の割合が多くなります。
1日の栄養が夕食に集中したカロリー過剰は、肥満・他の成人病を誘発しプラス運動不足や寝不足が重なると…病気への坂道転がり状態です。

大人の生活リズムの狂い
「睡眠障害」の1つに、「睡眠-覚醒リズム障害」と言う立派な病名が付いてしまった現代病があります。睡眠時間帯がずれてしまい「夜、眠れない…朝、起きられない…日中、ボーとしている…午後、目が冴えてくる…夜、眠れない」という症状に悩まされます。例えば、休日前日は、朝までテレビ・インターネット等に夢中になり、休日は午後まで寝てしまう=夜寝付けない=休み明けの午前はボーッとしている等の経験はありませんか?平均睡眠時間は7.5時間で、11時就寝=起床6時半が理想の場合、3時間以上のずれがある体内時計を抱えている人は、昼夜逆転した生活になり、当然、勤務支障・ホルモンバランスの崩れ・免疫機能の低下・成長ホルモンの阻害・心循環器系の負担等の心配があります。ビタミン投与や光刺激等の治療を2ヶ月しても6割の回復率!体内時計が育つ乳幼児期が人生を決める?!

病気の自己対策
年末年始のお休みは、どうも生活ペースが乱れがちですね。朝寝坊やお昼寝~夜更かし続きでは仕事始めは辛い辛い…。前回紹介した「睡眠・覚醒障害」には「宵っ張りの朝寝坊」タイプを始め、病的な原因で24時間のリズムが作れないタイプや長時間睡眠(長い睡眠時間を必要とする人)等概ね9パターンあるそうです。リズム障害の発症(症状を自覚し始める年齢)は、思春期から始まります。原因としては、急な環境の変化(友達と夜遅くまで遊ぶ・残業続等)・フレックスや夜勤、フリーター等比較的自由にスケジュールを組めるため、活動が夜になる等です。特に元々「夜型の生活」の人は「体内リズム」を崩しやすい傾向があります。診察する精神科では「思春期の発症が多いのは、成長発達段階にある脳が環境の変化の影響を受けやすいからではないか」「中高生の不登校の2割~3割はリズム障害の疑いがある」…とリズム障害の為に学校生活や社会生活が営めなくなる事に危機感を深めています。そこで自衛策。
規則正しい睡眠時間帯の確保(毎日、○時になったら寝る~7・8時間後の○時には起きる)
寝室環境の整備(暗く静かで穏やかな色の部屋・好きな香り・寝心地の良い寝具等)
就寝前の心身の調整(就寝前には刺激物等の飲食、テレビやパソコン等意識を覚醒させる物を避ける・ゆったりした音楽等でリラックスする)
等があります。
日中たっぷりお日様に当たるのも大事な「調整因子への刺激」になりますね。
仕事の都合等で多少変動はあっても、まず親の生活ペースを確立すれば、子供の生活も自ずと付いてくる物です。現代社会を生き抜いてくいためには、なんといっても健康!
子供の健康や幸せも親の幸せも「3食しっかり食べて、しっかり働き、たっぷり眠る」にかかっています。今年こそ「我が家の生活リズム作り」を目指しましょう!
やっぱりすごい先人の知恵
いままで、いろいろ取り組んでいる「生活リズム」ですが、あれこれ学んでも、とどのつまりは先人の知恵「お日様が出たら起きて、食べて、出して、働いて、日が沈んだら食べて寝る。」なんて分かりやすい「生きる知恵・自主健康管理」でしょう。でも、起床~食事~就寝が「夜型」の場合は問題大です。変則の8時間労働・夜勤等の労働条件や単に何となくにせよ、寝しなにたっぷり食べる→自律神経やホルモン代謝が限りなく乱れる→朝食を寝ぼけた胃袋に詰め込まれる→慢性覚醒障害による胃下垂・高血圧・動脈硬化・脳血管疾患・急性心臓疾患・肥満・糖尿病等致命的な健康障害を生み出す…となります。ことほどさようにリスクの高い「夜型生活」を子供がしていたら…。1・2歳で、全体睡眠時間(昼寝+夜寝)が9時間未満(昼寝2時間だと、夜が7時間?!)は10人に4人・夜の10時以降の就寝が10人に3人以上はいる世情は、「脳の発達と自律神経発達」へどんな影響が起こるでしょう!!お宅のご家庭はいかがですか?

「あそぶ」って何?
気持ちいいこと、悪いこと
さて、「あそぶ」とは何でしょう?よく「子供は遊びの天才」と言いますが、「遊ぶ」そのもののパワーは、実は「快~不快」の延長線上の事なのです。始めに、この「快~不快」について考えてみましょう。生まれたばかりの赤ちゃんが泣いていると、受け止める側は「抱っこ?」「オッパイ?」「オムツ?」「眠い?」等いろいろな対応をしてみて「当たり」を探します。それがお互いの学習になるから、子供は泣き方で要求を伝えるようになり、大人も「この泣き方は…」と要求を見抜けるようになるのです。そこで発生する子供の「求める→受け止めてもらえる→満足する」という構図が、その後の子供の力の源になります。

「心地よさ」を感じ分ける
要求を泣いて訴える=不快・不満→受け止めてもらえる=オッパイ・オムツ換え・だっこ等=「快」を知る・満足をする…これって、生き延びるための生理的要求の中に、身体の育ちと共に心の育ちも入っているからなんですね。生後2ヶ月頃にはいつも関わっている大人が解るくらい、ハッキリとした要求を出し始めます。こうして「自分」を泣いて訴え不満を伝えたり、あやされるとニコニコ=笑顔に笑顔で応える事をいっぱい繰り返すことで、親・親しい大人・知らない人等をランク分けした、笑顔~ジィッと見るだけ~泣いちゃう等の「社会的対応」をするようになっていきます。「いないいないバ~」に大はしゃぎしてウケてくれると、思わず繰り返す大人の対応…コレなんですよ。コレ!!こんな時に子どもが感じる、心地よさ+笑顔の人間関係=「人」への興味・関心=「遊びの始まり」になるのです。泣いた→すぐに何とかしないと怒っちゃう→怒るとすぐには泣きやまない…なんていう、結構せっかちサンだったのが、6ヶ月頃になると泣いて怒っても、笑顔で抱っこされる等で満足すると「今泣いたカラスがもう笑った」になって「心の立ち直り」をしていくんです。生まれて1年もしないうちに、こんな凄い力を身につけていく赤ちゃん…嗚呼、お付き合いは、なかなか難しく、油断できない関係なのですね。

他者との関わりの中で
『大人が「おいで」と言う→子供は両手を伸ばして抱っこしてもらう』事を覚えると、抱っこして欲しいと「おいで」のポーズで要求する様になりますね。「おいでを覚えた」中には、相手への信頼・抱っこの心地よさ・共感関係や笑顔等の「心の心地よさ」を十分感じ分ける力が育っています。そして今度は、自分が抱っこして欲しい時、相手へ覚えたポーズを取るようになるのです。抱っこで安心したいと感じる心の動機・相手に自分の意志を伝えようとする意思・表現する意欲が秘められています。しかも、『自分が求めたら、相手が抱っこしてくれた』事で、訴えた自分への自信と信頼・要求結果の達成感と満足感を、抱っこしてくれた人が共感してくれることで、より大きくふくらませていきます。知っている大人達が、しつこく「おいで」をしても、渡り歩いてくれるつき合いの良い赤ちゃんは、『「おいで」が分かるようになった』という「力」の獲得だけではない「心の働き」も育てているんです。
こうした信頼関係・自分への自信・共感関係に支えられ、「新しい活動に挑戦する『心のバネ』」を作っていく子供は、這えないのに這おうとして後ろに進んだり、ボタンをはめられないのに、1人でやりたがっては出来なくて癇癪を起こしたり…と、「出来ないことをしようとする、今のちょっと先を行く活動」を展開してゆきます。やりたいことが出来ない悲しさや苛立ち・悔しさや、当人は大満足でも大人にはいたずらでしかない時の叱られた悲しさ・理解してもらえなかった怒り等、喜怒哀楽の感情の分化が、内面に磨きをかけ、「~が欲しい」「~がしたい」「~が出来るようになりたい」という、『自分の願い』が生まれ、能力の獲得に結実していきます。「願い」は、周りの物事や生活活動の中から生まれ、感性や価値意識により内容を変化させていきます。
「~したい」と思う事があり、周りの励ましや理解を心のバネに、「自分の願い」を達成する為の努力をしていく…これには、「大人」も「子供」もないのかもしれませんね。
歩き、探索活動を通して
歩けるようになった子供は、「歩けるようになった」事を確かめるようにヨレヨレ・フラフラ・ウロウロしながらず~と歩いています。大人に拍手され、笑顔に支えられながら、転んでも倒れても何度も立ち上がる頑張りです。この時期に風邪等で寝込むと、とたんに足腰がフニャフニャになって歩くのが下手になってしまい、「歩く事」が健康にどれ程凄いことか考えさせられます。足腰が安定し、足首がなめらかに動くようになる1歳半頃からはフ~ラ、フ~ラ・ウ~ロ、ウ~ロ、「いろいろな物を発見するぞ」と言わんばかりの探索活動を「歩く」事で充実させてゆきます。探索活動は、同じ所を何度もしつこく長々とマイペースで繰り広げられ、付き合う大人は、我慢強さと笑顔と子供の発見を言葉で表現する事が求められます。探索活動の充実には時間がかかりますから、大人は「早く」と言う言葉が多くなり、「コッチおいで」の声かけも無視されます。「それじゃ御勝手に」と買い物かご片手に子供を放って買い物している親子…何処のスーパーでも見かけますね~。どんな場面でも子供中心に過ごす事は大変難しいですが…。探索活動の充実とは、物・言葉・場所・におい・さわり心地等、五感を働かせいろいろな関係づけを知ってゆく、貴重な体験の積み重ねです。是非、出来る範囲でゆったりと一緒に楽しみたいですね。

大切な仲間作り
乳幼児期は親、特に母親との関係密度の濃い時代です。核家族で1:1の子育てをする人が多くなった現在、我が子に対し「良い母親」や「立派な母親」であろうと、真剣にまじめに一生懸命頑張って子育てするうちに、「私だけがこんなに頑張っているのに、どうしてこの子は泣くんだろう・どうして食べてくれない・どうして言うことを聞かない」…閉塞感と憔悴感に追いつめられた果ての虐待や凶行…煮詰まっちゃうんですね~。大家族だと母親以外の目も手も意見もあって、良きも悪きも親子間のクッションがいっぱいあり、肩の力も抜けるのですが…。『話のできる人がいっぱい居る=ひとりぼっちじゃない・仲間が居ると思える事』は、心の支えになりますね。だから「公園デビュー」は、実は母親にとっての「仲間探し・仲間作り」の意味合いも深いのです。我が子がきっかけになって、親子共々「人の輪」に入り話し笑い、仲間意識や共感関係を作ってゆくのです。「互いが同じ様に感じ合う関係」は、「互いが同じ事(子育て等)をしている仲間感覚」という土台があるからです。幼児期の「仲間作り」も同じです。個々が同じ遊びを別々に楽しんでいたスタイルから、同じ遊びを一緒にする事を繰り返す中で、自分の思い通りにならなくて喧嘩したりふてくされたりしながら、「楽しい」を知り「みんなと一緒がひとりよりずっと楽しい」と思う様になります。「ひとりはイヤだ」と思う感性は、こうした「誰かと一緒に何かを楽しむ」経験を繰り返すことが不可欠です。年齢に関わりなく、「仲間」は大事な心の栄養剤ですね。